2013年7月14日日曜日

忘れがたい夜を

ともかく、忘れがたい夜を重ねていくしかない。

ナオミちゃんと六本木で、シャンパン、マッシュポテト、オリーブで乾杯。10年ぶりに会うS嬢が来るというので、合流を楽しみに待ちながら創作と性愛の話をした。唇は言葉。しゃべるのをやめてすることは、せめて交わす言葉と同じくらい重くあるべき。言葉を使うよりも今はこれでなくてはだめだ、と思って及びたい。交わす言葉に見合わないキスはできない。S嬢は結婚して名前が変わり、S夫人になっていた。

 「え、自分で書いたもの読み返すの?大事なの?」
読み返しますよ。大事…というか、まあ、身体からは切り離されるけど、でも、
「じゃあさ、あんたは絶対自分の子どもを大切にするよ」
え。

私が長い間、私と私が書いたものは私と私の娘くらい違うもの、と思い続けてきたことを、彼は知らないはずだった。そして、私と私の娘の距離の危うさを、一言で突いた。やっぱり怖い人だ、と心底思った。

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