2014年2月13日木曜日

午睡の残骸

午睡していたらしかった。時計を見て、レコードの針が飛ぶように、一時間と少しの時間が私の一日から抜け落ちたのを感じた。死んだように寝ていたというよりは確かに死んでいたかもしれなくて、でもどちらかというとこんなふうに死んだみたいに眠るのは(きちんとした良い)セックスの後がいいのではないかな、ひとりでこうやって起きるのはいやだな、と思いながらしょうがなく起き上がった。私は怠け者なうえに身体が鈍いので、起きてからふとんの中で人並み以上にだらだらしないと、活動を再開する気になれない。ひどい話だ。鏡で見た寝起きの顔は、誰だか分からないほど青白かった。

食事は毎日作る。味見は気分によって、したりしなかったりする。まったくしないわけにもいかないので、最後にちょっと舐めてみて調節する程度で妥協する。これが食べたい、とリクエストされたものを作ってあげるのが本当に好きで、もしかしたら一番自分の母性を感じるのは料理欲においてかもしれない。

劇場で、いつも見ていたあの人が、私のことを覚えていてくれて本当に嬉しかった。久しぶりに会った人がちゃんと名前を呼んでくれると、とても嬉しくてびっくりしてしまう。私など覚えてもらう価値もない、と思っているのだと思う。でも、私なんかが思う以上に世界は愛と信頼の交歓に満ちているのだと今は信じられる。あの日、一度会っただけの私を覚えていてくれたあなたに感謝します。あなたのことが私は大好き。

もうすぐバレンタインだから、こういう日記もたまにはいいと思う。

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