2014年3月6日木曜日

ひざに抱く

犬の頭を不意に撫でると、ときどきびっくりしたように目を閉じ、そのあと安心してまた息を始める。人の手が毛を、肌をすべるのがここちよいのだろう。目を閉じているので私の表情はわからないはずだが、私も安らかな気持ちと、あまりにも安らかなので不安になる気持ちの狭間で、少しだけ笑っている。このまま眠ってもいいのに、と思うのだが、どうも途中で起き上がってどこかへ行ってしまうのが寂しい。まれに寝息をたてることもあって、そういうときはいっそう優しい気持ちをこめて撫で続ける。強く抱きしめてしまって、起こさないようにするのがとても難しい。

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