2014年4月18日金曜日

長い指

日々を浮ついて過ごすだけなら、酔っていつも同じことをつぶやいて(変わりたいかどうかはさておき)変われないままで一生を終わるだろう、という気持ちになったので脅迫をおこなった。何度も言っているとおり、私は人のためを思うあまりに辛辣な言葉も厭わない、愛情に満ちた人間である。手を付けかけたものの失敗と言える中断の仕方をしている例の件は、私自身のせいも大きいのだが今に至るまで毎日恨みに思い、同時に反省している。流されて忘れるわけにはいかない。変われないまま年を取るのは、私がもっとも嫌だと思っていることのひとつなので、私はそうなりたくないし、なるべきでないのだ。

11月にアメリカに出かけないかと訊かれたので、行きます、と即答した。演劇のシーズンではあるが、自分にとって大事なルーツがありそうな旅なので、そう答えたのである。出かける先はアメリカであるが、須賀敦子の本を読んだりして心を落ち着けようと思う。

これまで似ているのではないかと思っていたが、深く眠っているのは死んでいる状態とは違う、ということを手を握られて実感した。夢を見ている人は時折指を動かす。私は眠れないまま両手でそれを包んで、ああ、いつになったら私もこんなに深い眠りを味わうことができるだろうと思った。うらやましいことはいつも愛おしい。

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