2014年12月28日日曜日

極東の書店

ヨーロッパの小さい国だとさ、本っていうのはドイツ語とかフランス語を勉強しないと読めないものなんだよね。そこいくとさ、日本の本屋には日本語で読める本がこんなにあるんだって、めまいしちゃうよね、と、俳優Y氏が先日私にこっそり話してくれたことを、夜の本屋で唐突に思い出した。そこは駅の中の、通り過ぎる人波でごった返す量産型の本屋にすぎず、並んでいるものは薄っぺらいビジネスや啓発のたぐい、俗情にまみれたベストセラーばかりで、やっぱりめまいがしたからかもしれない。本当には読まれることなく、ただちらりと見られただけで捨てられる言葉たちのあまりの多さに。

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